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燃費を悪くする方法|ガソリンを無駄にする運転とは? | カーポートマルゼン

コラム
燃費を悪くする方法|ガソリンを無駄にする運転とは? | カーポートマルゼン 燃費を悪くする方法|ガソリンを無駄にする運転とは? | カーポートマルゼン

断るほどではないが、できれば行きたくない。大人になると、そういう約束が増えます。

多忙でロクに練習しなかったゴルフも、数合わせのカセ釣りも。理由はさまざまですが、共通しているのは「仕方なく向かう」という点です。

そんなときに限ってクルマの調子が悪くなればいいのに、と思ったことはないでしょうか。
エンジンが咳き込み、燃料計が急に減り、やむなく引き返す。「もし途中で燃料が尽きたら、不可抗力ということにできるのではないか」と。

もちろん現実はそう甘くありません。
ならば理屈の上で、どうすれば燃料を無駄にできるのかを考えてみましょう。裏を返せば、ここで紹介されていることを「やらなければ」、低燃費走行は可能とも言えます。

こちらは「目的地に着きたくない人のための燃費悪化講座」
これを読めば、適切な空気圧や丁寧な加速が如何に重要か、逆説的に理解できると思います。

燃費とは何を消費しているのか

燃費とは何を消費しているのか 燃費とは何を消費しているのか

燃費を考えるとき、まず確認すべきは「ガソリンはどこへ消えているのか」という点です。
ガソリンは体積が減ってなくなるのではなく、エネルギーが別の形へ変換されているにすぎません。

エンジン内部で混合気が燃焼すると、高温高圧のガスが発生し、ピストンを押し下げます。この往復運動がクランクシャフトを回転させ、最終的に駆動輪へ伝わります。ここで初めて、エネルギーは回転運動へ変換されます。しかし、そのすべてが「前進」に使われるわけではありません。

車両を加速させる際には運動エネルギーが蓄えられます。車両重量が重いほど、あるいは速度が高いほど、このエネルギーは増大します。ただし、このエネルギーは減速時にブレーキによってほぼすべて熱へ変換され、失われます。通常の内燃機関車では回収されません。

一定速度で巡航している間もエネルギーは消費されています。空気抵抗や転がり抵抗です。車体前面に衝突する空気を押し分けるためには力が必要で、その抵抗は速度の二乗に比例して増加します。高速域では、この空気抵抗が消費エネルギーの大半を占めます。速度をわずかに上げただけでも必要出力が急増するのはこのためです。
路面との接触面ではタイヤが絶えず変形と復元を繰り返しています。このゴムの変形過程で生じる、これが転がり抵抗です。空気圧が低い、重量が大きい、タイヤ構造が柔らかい、といった条件ではこの損失は増加します。

エンジン内部にも損失があります。ピストン、コンロッド、クランク、バルブ機構などが高速で動作する際の機械的摩擦損失、スロットルを絞った状態で吸気を行う際のポンピングロス、さらに冷却や排気として逃げていくエネルギー。これらは車両を一切前進させません。

そして最大の要素が熱です。
ガソリンエンジンの熱効率は理想条件でも40%前後にとどまります。つまり、投入したエネルギーの半分以上は、最初から排気や冷却水を通じて大気へ拡散する“使われない熱”になります。市街地走行のような部分負荷領域では効率はさらに低下します。

燃費とは、この中で「どれだけを前進に使えたか」という比率の問題です。したがって、前に進む以外の形で消費された分、すなわち空気を押しのけるために過剰に使った分、ブレーキで捨てた分、内部で摩擦として失われた分、そして熱として散逸した分が「無駄」ということになります。

どうすれば無駄が発生するか

どうすれば無駄が発生するか どうすれば無駄が発生するか

ではどうすれば、ガソリンをできるだけ無駄にできるのか。

もちろん、法定速度を無視して暴走する、といった話ではありません。あくまで日常の交通環境の中で、常識的に走りながら、それでもなお燃料を効率よく(いや、非効率に)消費する方法を探るのです。

ガソリンは魔法の液体ではありません。エンジンで燃やされ、回転運動へ変わり、最終的にはほとんどが熱となって消えていきます。その過程のどこで、どのようにエネルギーが散逸しているのか。加速しては止まり、回しては捨て、空気を力いっぱいかき分ける。そうした行為が、どれほど見事に燃料を熱へ変えているかを見ていきましょう。

では、さっそくガソリンを無駄にしてみましょう。あくまで理屈の上で、ですが。

■ 加速しては即減速

加速しては即減速 加速しては即減速

もっとも手軽で、もっとも効果的にガソリンを無駄にする方法はこれです。
得た運動エネルギーを、意図的に捨てる。

発進後、十分な車間も交通状況も考えず、とりあえず強めに加速する。エンジン回転は上がり、瞬間燃料流量も増える。クルマは勢いよく前へ出る。ここまでは実に爽快です。

しかし、少し先の信号や前走車に気づいた瞬間、ブレーキを踏む。すると、さきほど苦労して得た運動エネルギーは、ブレーキディスクとパッドの摩擦によって熱へと変換され、大気中へ拡散します。煙こそ出ませんが、本質的にはエネルギーの焼却処分です。

通常のガソリン車では、このエネルギーは回収されません。ハイブリッド車であっても回生効率は100%ではなく、相当部分はやはり熱になります。たとえばトヨタ自動車のハイブリッドシステムでさえ、回収できるのは一部に過ぎません。

したがって、

  • a) 早めに加速する
  • b) 車間を詰める
  • c) 赤信号直前まで惰性を使わない
  • d) 巡航速度を安定させない

これらを繰り返せば、ガソリンは見事に消費されます。
エネルギーを「前進」ではなく「加速→廃棄」のサイクルに投入しているからです。

逆に言えば、低燃費運転の本質は単純です。
加速の回数を減らし、得た運動エネルギーをできるだけ長く使うこと。

しかし今回は逆の立場です。
せっかく生み出したエネルギーを、遠慮なくブレーキに渡す。
これほど確実に、しかも合法的にガソリンを無駄にできる方法は、なかなかありません。

■ 必要以上に回転数を上げる

必要以上に回転数を上げる 必要以上に回転数を上げる

クルマは必ずしも高回転を必要としていません。一定速度で巡航するだけなら、エンジンは比較的低い回転数で十分に仕事をこなせます。ところが、あえて低いギアを選び、回転数を引き上げれば話は変わります。

回転数が上がるということは、内部のあらゆる部品がより速く動くということです。ピストンは上下運動を増やし、バルブは忙しく開閉し、クランクシャフトは勢いよく回転する。金属同士はより頻繁に擦れ合い、潤滑油はより激しくかき回されます。これらはすべて摩擦損失の増加として現れます。

さらに、ガソリンエンジンにはスロットルが存在します。部分負荷域では吸気を絞るため、吸い込む空気に対してエンジンは無駄な抵抗を処理することになります。回転数が高いほど、このポンピングロスも増大します。

結果として前進に必要な出力は変わらないのに、内部損失だけが増える。つまり、燃料はより多く消費されます。

しかもこの方法には副産物があります。音が勇ましい。回転計の針が躍る。機械が働いている感覚が得られる。ただし、その高揚感の正体は、増えた摩擦と、増えた熱です。

もちろん、エンジンにも優しくありません。

■ 空気抵抗を増やす

空気抵抗を増やす 空気抵抗を増やす

空気抵抗は速度の二乗に比例します。
つまり、少し速くなるだけで、抵抗は想像以上に増えます。そしてその抵抗を押しのけるために必要な出力は、さらに急激に増大します。ただし、これは車種によって、また条件によってちがうと言えるでしょう。能動的に悪化させるためには、下記の方法が有効です。

  • a) 窓を全開にする
  • b) ルーフキャリアを常設する
  • c) 不要な外装パーツを付けたままにする

車体の上や周囲で乱流が増えれば、それだけで抗力は増します。メーカーは風洞実験で空気の流れを整えますが、その努力は比較的簡単に打ち消せます。たとえばテスラの車両は優れたCd値を誇りますが、高速域での電費低下を完全に避けることはできません。

■ 転がり抵抗を増やす

転がり抵抗を増やす 転がり抵抗を増やす

タイヤは接地部分で常に変形し、荷重を受け、回転とともに元の形へ戻ります。この「変形と復元」の過程でゴム内部に損失が生じ、エネルギーは熱へと変換されます。転がり抵抗とは、要するにゴムが発する熱のことです。

したがって、この損失を増やせばよい。
最も単純なのは空気圧を下げることです。空気圧が低いほど接地面は広がり、変形量が増え、抵抗も増大します。タイヤはより大きくたわみ、そのたびにエネルギーを消費してしまいます。日頃の空気圧チェックが如何に重要か、よくわかりますね。

さらに、トレッドパターンやコンパウンドも影響します。低燃費タイヤは内部損失を抑える設計がなされていますが、グリップ重視のタイヤは一般にエネルギー損失が大きい傾向があります。メーカー(たとえばブリヂストンやミシュラン)が「低転がり抵抗」を技術的な売り文句にしているのは、この差が無視できないからです。

つまり、ガソリンを無駄にしたいなら、

  • a) 空気圧を適正より低く保つ
  • b) 不要な重量を増やす
  • c) 抵抗の大きいタイヤを選ぶ

こうした選択が、確実に燃費を悪化させます。

■ 不要な荷物を積む

不要な荷物を積む 不要な荷物を積む

クルマはモノを運ぶ装置です。したがって、質量が増えれば、消費エネルギーも増えます。物理的には単純です。質量が増えれば、同じ速度まで加速するために必要なエネルギーは比例して増えます。

例えば100kg余計に積むと、50km/hまでの加速で必要なエネルギーはその分だけ増えます。信号のたびに、その余分なエネルギーを燃料から作り、そしてブレーキで熱にして捨てる。都市部ではこれが何十回も繰り返されます。

山道や高速道路の緩い勾配でも、重量増はそのまま燃料増に直結します。 登りで使ったエネルギーは、下りで完全には回収されません(内燃機関車では基本的に熱として消えます)。また、重量が増えればタイヤの変形量も増えます。つまり転がり抵抗も増える。

一般に、車重が100kg増えると燃費は1〜3%程度悪化すると言われます(車種や走行条件に依存)。数値としては小さく見えますが、年間走行距離1万kmで考えれば、積みっぱなしの荷物が毎年ガソリン代を吸い続けることになります。

例えば

  • a) 使わない工具やアウトドア用品を積みっぱなしにする
  • b) 常時満タン給油(燃料自体も重量)
  • c) ルーフボックスを空のまま装着
  • d) 重量級ホイールへ変更

興味深い点は「速く走らなくても無駄は増やせる」ということです。
静かに、穏やかに、しかし重く。不要な荷物は、走るたびにガソリンを少しずつ要求します。

そう考えれば、乗るだけ乗って毎度ガソリン代も払わない余計な友人はベイルアウトさせた方が良いかもしれません。

■ エアコン最大使用

エアコン最大使用 エアコン最大使用

内燃機関車におけるエアコンは、冷媒を圧縮するコンプレッサーをエンジンの回転力で駆動しますから、スイッチを入れた瞬間にクランクシャフトへ機械的負荷が追加されます。つまりアクセルを踏んでいなくても、走行とは無関係な仕事が常時発生している状態になります。必要とされる出力は条件次第で数百ワットから数キロワット規模に達し、特に外気温が高く、設定温度を低く保ち、風量を最大に近づけるほどコンプレッサーの稼働率は上がり、エンジンはその分だけ余計に燃料を噴射しなければなりません。

低速走行やアイドリング中は、走行に必要な出力そのものが小さいため、エアコン負荷の占める割合が相対的に大きくなります。信号待ちで停止しているあいだも、車内の快適さを維持するために燃料は消費され続けます。高速巡航でも一定速度を維持するためにエンジンはわずかにスロットルを開き足し、コンプレッサー駆動分の出力を補います。

仮に電動コンプレッサーを採用する車両、たとえばトヨタ自動車のハイブリッド車であっても事情は変わりません。電力はバッテリーから供給されますが、その電力は最終的にエンジンで発電されたものです。エネルギーの経路が間接的になっただけで、燃料消費という結果は回避されません。

  • a) 設定温度を極端に低くする
  • b) 風量を最大にする
  • c) 内気循環を多用する(負荷が継続しやすい)
  • d) 不要な季節でも常時ON

特に真夏の直射日光下では、車内は温室になります。効率の良い使い方を考えなければ、燃料消費は増大します。(ドライバーの健康第一ですので、無理な節約はやめましょう!)

時間効率・目的との
トレードオフ

時間効率・目的とのトレードオフ 時間効率・目的とのトレードオフ

もっとも単純に燃料を無駄にする方法は、急加速と高回転の多用。アクセルを深く踏み込み、エンジン回転数を上げ、短い時間で速度を得る。これは確実に燃料を消費します。

しかし逆に言えば、低燃費運転とは、加速を抑え、回転数を抑え、できるだけ一定速度を保つ運転。理屈としては明快ですが、ここにはトレードオフがあります。

まず時間効率。
交通状況にもよりますが、緩やかな加速は合流や追い越しで機会を逃す可能性が考えられます。流れに対して鈍い挙動は、後続車に心理的ストレスを与える場合もあり、結果として交通全体のリズムを乱すことも。

次に目的との整合性。
クルマは快適性や動力性能を含めた総合商品といえます。そういう意味で必要な場面で十分なトルクを使わず、常に抑制的に走ることが「正義」とは限りません。特にターボ車では、極端な低回転・高負荷の連続が必ずしも機械的に理想とは言い切れないケースも考えれます。

つまり、低燃費運転は「常に最適」ではなく、時間・安全・快適性とのバランスの上に成立する概念と言えます。

ブレーキ=エネルギー廃棄装置

ブレーキ=エネルギー廃棄装置 ブレーキ=エネルギー廃棄装置

燃料を無駄にする最も典型的な行為は「加速してから強くブレーキを踏む」こと。

内燃機関は燃料を燃やし、エネルギーを運動エネルギーへ変換します。その運動エネルギーを、ブレーキは摩擦熱として大気中に放出する。つまりブレーキは、獲得したエネルギーを廃棄する装置です。

したがって、

  • a) 不要な加速をしない
  • b) 先の交通状況を読み、早めにアクセルを戻す
  • c) 急制動を避ける

これが理論上の低燃費運転です。

ただし交通は常に不確実であり、割り込みや信号変化など、結果論で成立する世界でもある。理論通りにいかないのが実態です。それでも「無駄な加速→無駄な制動」という往復運動を減らすことが、燃費改善の本質と言えます。

なお、トヨタ自動車が提唱するエコドライブ指針でも、緩やかな発進や早めのアクセルオフが基本とされています。

快楽としての無駄

快楽としての無駄 快楽としての無駄

最後に、あえて否定しきれない要素。

  • ①アクセルを踏み込んだ瞬間の加速感。
  • ②回転上昇とともに変化するエンジンサウンド。
  • ③タコメーターが上へと駆け上がる視覚的高揚。

これらは合理性では代替できません。たとえば、マッシヴなV8エンジンは燃費効率では説明できない。そこには「燃費効率を超えた価値」がある。

低燃費運転を徹底するということは、この快楽の一部を意図的に封じることでもある。
合理性の観点では正しい。だが感情の観点では損失でもあると表現できるかもしれません。

まとめ

燃費とは、ガソリンをどれだけ効率よく「前進」に使えたかという比率の問題です。
加速してはブレーキで捨て、必要以上に回転数を上げ、空気抵抗や転がり抵抗を増やし、重量を積み増す。これらはすべて、エネルギーを熱へ変換している行為にほかなりません。

逆に言えば、

  • ・無駄な加速を減らす
  • ・得た運動エネルギーをできるだけ長く使う
  • ・空気抵抗と転がり抵抗を抑える
  • ・不要な重量を減らす

これらを意識するだけで、燃費は着実に改善します。

ただし、クルマは合理性だけの機械ではありません。
加速の快感やエンジンサウンドという感情的価値もまた、走る理由の一部です。

燃費向上とは「すべてを我慢すること」ではなく、構造を理解したうえで、どこにエネルギーを使うかを選ぶこと。

目的地に着きたくない日もあるかもしれません。
しかし本当に避けるべきなのは、知らないうちにエネルギーを捨て続けている状態なのかもしれません。

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